100歳時代のシニアの職と資格

人生100年時代のシニアの就職・求人・資格についてお伝えします。

鍼灸師(しんきゅうし) 「はり師」と「灸師」を勧める理由

柔道整復・鍼灸系の国家資格(厚生労働省主管)は4つあります。

あん摩マッサージ指圧師

・はり師

・きゅう師

柔道整復師

 

今回「はり師」・「きゅう師」を取り上げるのは、マイナーな資格でありながら、今後少子高齢化がますます進んで高齢者が増加すれば、これらの資格保有者のニーズは高まると見られるからです。

(もうかるという意味ではありません)

 

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「はり」と「灸」をあわせて鍼灸(しんきゅう)です。


 

はり師・きゅう師とは

はり師:「はり」による施療をおこなう人であり国家資格を取る必要があります。

きゅう師:「灸」による施療をおこなう人であり国家資格を取る必要ががあります。

この2つと、あん摩マッサージ指圧師(国家資格)を併せて三療師と呼んだりします。

 

三療師の分野は、視覚に障害のある方が多く従事してきたという背景があって、国家試験は晴眼者と視覚障害者は受験の枠が別々になっています。

 

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マッサージ中

 また、柔道整復師という国家資格もありまして、こちらはいわゆる「ほねつぎ」の先生です。(柔道の有段者とか経験者でなければならないということはありません)

 

2000年(平成12年)以降、これらの4つの国家資格のための専門学校の新設要件が緩和されたため、他の業種からの参入もあって専門学校が急増しました。

 

次に示しますが、はり師と灸師の試験は併願受験が可能で、同じ日に同じ場所で行われます。(共通科目が多いです。)

それぞれ別の資格です。

鍼灸師」というのは、2つの資格をまとめた通称ということになります。

 

国家試験の合格率 (平成30年3月発表分)

柔道整復師

・受験人数:6,321名
・合格者数:3,690名
・合格率 :58.4%

はり師

・受験人数:4,622名
・合格者数:2,667名
・合格率 :57.7%

 

灸師

・受験人数:4,555名
・合格者数:2,845名
・合格率 :62.5%

 

あん摩マッサージ指圧師

・受験人数:1,584名
・合格者数:1,315名
・合格率 :83.1%

 

柔道整復師の受験者数が多いのは、以下の理由が考えられます。

① 養成のための専門学校のほかに体育系・医療系大学に学科が新設された。

② 就職先が、はり・灸師合格者が鍼灸院に就職するのに対して、柔道整復師合格者は整骨院・病院の整形外科・介護関連施設・スポーツ関連施設と就職先の幅(オプション)が広い。

 

はり師・灸師のニーズは増えるか

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 すでに高齢化社会となってから相当経過しています。

65歳以上の老年人口が着実に増えてつづけ、年少人口を追い越してすでに10年が経過しているのです。

 

高齢化」:すべてがここに帰結するといってもいいです。

 

その結果 はり師・灸師のニーズが高まる理由は以下の通りです。

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はりの施療の分野(一部)

① 高齢者に多く発祥する病気などを施療できます。

    リウマチ、腰痛、神経痛などの傷病で、柔道整復の分野では困難なものに対して、はり・灸は効果があります。

 

② 不眠・うつなどの神経症、婦人特有の症状、にも対応しています。

   脱臼の修復を主とする柔道整復や、マッサージ、指圧では対応できない分野です。

 

漢方薬剤と並行して施術することで、相乗効果が期待できます。

もちろん病院に通院して処方薬を服用しながら、鍼灸治療を受けることはできます。(高くつきます。)

 

④ 一回あたりの施療は、1時間程度で済む。

2~3年のスパンで見ると、予防医療・施療としては、べらぼうに高いというわけではありません。

 

現状の欠点

① 保険が適用されにくい。

保険が適用されるには、医師の同意が必要であることから、困難な状況です。

確かに、保険が適用された最初の3~4回は安く感じます。

 

② 医師が、はり・灸施療をやってたりする。

 

③ ネガティブなイメージ(痛い、熱い)がある。

私は実際に受けてみて思いますのは、「この感覚は、口で説明できない。やってみないとわからない。」ということです。(説明になってない!)

 

良い例が、電気マッサージです。

最初はおっかなビックリでやってみますが、「なんだこんなもんか」と自分でドンドン電圧(電流?)をあげちゃったりします。

 

「はり」「きゅう」はエスカレートする心配がないのですが、やはり気軽に「おきゅうをすえてもらおう」とはなりにくいようです。

 

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専門学校で学ぶ4つの分野
シニアの資格のとり方

50歳代の方が、鍼灸の資格「はり師」・「灸師」の資格をめざすとしても「専門学校3年通学」は避けてとおれません。

 

典型的なとり方としては、鍼灸の専門学校の夜間コースに入って、国家資格をとり、独立開業するか、又は、鍼灸院に就職する、となるでしょう。

 

どちらにしても、資格をとっただけではダメで、それぞれの地域で行われる講習会に参加するか、就職するかして、経験をつみながら勉強する必要があります。

 

昼間働く社会人にとって、最も高い壁となるのが夜間の通学となると思います。

18:00ごろ授業開始の専門学校が多いです。

 

3年のあいだ通学できるような仕事に就く必要があります。

 

就職先に困ることはありません。

(柔道整復師ほど飽和していないと言われています。)

 

求人例(群馬県伊勢崎市)

鍼灸師 - 伊勢崎てらい整骨院の求人- 伊勢崎市 宮子町 | Indeed (インディード)

事業所:伊勢崎てらい整骨院

月給:24万~40万円

 

募集資格:国家資格取得者

勤務時間:9時~20時(実働8~9時間)

 

入社後研修制度、社外研修制度あり